おこさこ
自分の畑を左近の牛に食い荒らされた右近は、このことを公事(裁判)に訴えようと妻を相手に稽古をしてから出かけることにする。地頭の屋敷の門番への応答から門を抜け、玄関に控えている侍衆へ挨拶して白洲へ通るまでは総て右近(シテ)の一人舞台である。白洲へ通ったところで妻が扮する地頭に怒鳴りつけられてしどろもどろの返答になってしまう。それを更に責めたてられて、前後不覚となり、自宅を地頭の屋敷と思い込み、妻を本当の地頭と錯覚して気を失ってしまう。棒を奪われて打ち倒された後、見所を近隣の野次馬衆に見立てて「皆笑え」という言葉をぶつけ、自らも笑うが、台本に「口伝あり」とあり、通常の笑いの型ではない。また何通りかの演じ方がある。